ジェーン・バーキン 和訳 手切れ Je Suis Venu Te Dire Que Je M’En Vais ゲンズブール
誠実に愛し、愛されることを願う人は
どうぞこのシャンソンに大切に耳を傾けてください。
ヴェルレーヌの詩との関連などについても書いています。
それと、それぞれ現代的な解釈のカヴァーたちもどうぞ♪
基本のバーキンらがあってこそ成立しているところもあるような。
しかしカヴァーは貴重です。それでこそ生き残っていきます。
Jo Lemaire & Flouze ジョ・ルメール&フルズ
Coeur de pirate
Catherine Ringer
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ジェーン・バーキンの涙。
何を思うのでしょう?
別れた夫と言うべきか、
先に逝った元カレのつくった
この歌を歌うときに。
子どもたちの歌のプレゼントに目を真っ赤にし、
涙を浮かべるゲンズブール。タバコは強がりだったのね、
といった感動的な動画は7番目にあります。
また悪たれ感いっぱいに歌う動画もそれはそれでちょっと感動です。
コンサート(2枚組CD)の最後を飾ったのがこのシャンソン。
歌い終えてマイクを置いて立ち去るバーキンの姿。
あれだけ愛し合ったのに最後まで愛しきれなかった・・・。
この歌もやはり恋愛の不可能性の一側面を描いているのかもしれません。
彼がつくったこの歌を歌い終えてマイクを静かに置くとき
ジーン・バーキンの胸に去来するものは何だったのでしょう?
このシャンソンだけでも永遠の価値があるでしょう?
翻訳の下でいろいろと触れています。
では、拙訳です。
告げに来たわ 立ち去ることにしたって
あなたが泣こうと 何も変わりはしない
いみじくも、ヴェルレーヌが言ったように
「無慙(むざん)な風に吹かれた」のよ
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告げに来たわ 立ち去ることにしたって
昔の日々を思い出して あなたは泣くのね
あなたは打ちひしがれ 青ざめている
その時が打ち鳴らされたことに 永遠の別れを告げて
そうね まったく残念ね
立ち去ると告げているの
そうよ あなたを愛してる そうなの でも
告げに来たわ 立ち去ることにしたって
あなたがいつまですすり泣いていても 何も変わりはしない
いみじくも、ヴェルレーヌが言ったように
「無慙な風に吹かれた」のよ
幸せだった日々を思い出して あなたは泣くのね
あなたは泣きじゃくり うめく
時が打ち鳴らされた今のありさまに
そうね まったく残念ね
立ち去ると告げているの
あなた わたしに対してあんまりだったから
告げに来たわ 立ち去ることにしたって
あなたが泣こうと 何も変わりはしない
いみじくも、ヴェルレーヌが言ったように
「無慙な風に吹かれた」のよ
告げに来たわ 立ち去ることにしたって
昔の日々を思い出して あなたは泣くのね
あなたは打ちひしがれ 青ざめている
その時が打ち鳴らされたことに 永遠の別れを告げて
そうね まったく残念ね
立ち去ると告げているの
そうよ あなたを愛してる そうなの でも
告げに来たわ 立ち去ることにしたって
いつまですすり泣いていても 何も変わりはしない
いみじくも、ヴェルレーヌが言ったように
「無慙な風に吹かれた」のよ
幸せだった日々を思い出して あなたは泣くのね
あなたは泣きじゃくり うめく
時が打ち鳴らされた今のありさまに
そうね まったく残念ね
立ち去ると告げているの
あなた わたしに対してあんまりだったから
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といった解読シリーズがあります。
カジノ・ドゥ・パリで開かれたコンサートの
最後を飾ったのが、このパフォーマンスです。
山口百恵ではありませんが
マイクを置いて立ち去る演出はお金はかからないし、単純です。
でも、丁寧に、そうせずにはいられない彼女の想いが
こちらの胸にもヒシと迫ってきます。万感の・・・・。
演出を含めて、このシャンソンに何を感じるかで
あなたという人間がわかってしまうかもしれません。
フランス芸能界のスキャンダル発信源と言ったら、
筆頭に挙がるのが
セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのカップルでした。
ハレンチな音楽、ハレンチなファッション。
奇抜に過ぎる言行。
芸能人仲間への人格攻撃も垂れ流して。
でも、今は昔のお話。
そんな2人だったのに、このシャンソンが
こんなにも身に染むことになってしまうとは・・・。
もともとのオリジナルは、夫だった、そのセルジュ・ゲーンズブールです。
邦題は「手切れ」。
なんと、まあ。
無頼でスキャンダラスで売っていく路線だから
こんな邦題なのかもしれませんが
ゲンズブールの本質の一部しか知ってもらう必要が無い
といった、売る側のゴウマンさが臭いません?
繊細なところがあるから、無頼になっちゃうのにな。
その繊細な部分をネグレクトだなんて。
正直に言うと、ゲンズブールで聴いた時は、聴き逃していました。
邦題も「手切れ」だなんて、変に構えているようで嫌だったし。
ともかく、バーキンで初めて心に届きました。
で、ゲーンズブールを聴きなおし・・・それなりに、納得しました。
別れて、他人になってからのほうが、誰にでもわかる
親しみやすい曲を提供している事実の背景は
なんとなくわかる気がします。ちょっと距離を置いたほうが、
むしろ長所を素直に見つめることができるのでしょう。
より生産的な関係になったわけです。
提供するゲンズブール、受け入れるジェー・バーキンと、
それぞれの心象を思うにつけ
男と女の在り方のひとつの参考になるのではないでしょうか?
ともかく、親密すぎるほどに親密に
他人とはいえない関係で
ある歳月をともに過ごしたこと。
何よりも大切なことは、一緒に過ごす時間。
その時間を、ずっと長く、できれば永遠に
重ねていくことだったのに・・・。
バーキンのほほにかかる涙は、そんな感慨のせいなのか、
などと想像してしまいます。
あえて、もっと踏み込めば、
見捨てるのは仕方ない選択だった
仕方がなかったけれど
それでも、捨てるべきではなかった
一緒にいるべきだったのに、という
今にして覚える一抹の後悔・・・
などと言うのは、男の甘い夢に過ぎないでしょうか?
どこまで俺を受け入れてくれるのか?
女を試して、試して、限界以上に試して
女が離れてから、やっぱりな、と変に納得する男もいて、
それは甘えなんだけど、ついやっちゃう、
よせばいいとわかっているのに、やらずにいられない。
離れてみれば、そんな甘えも、それを強いる淋しさもわかる。
自分が別れを決めたみたいな、こんな強がり、書いちゃって。
そんなことも、今なら、抱きしめてあげられる。
なぜ、最後までつきあってあげられなかったんだろう・・・
今なら、もう少しは・・・という後悔。
(しかし、こんな男、やっぱり、やってられないのも事実。
渦中にあったら、判断、違うもんね)
心を込めて歌うことは、歌に自らがさまざまな価値・意味を
肉付けしていく行為にほかなりません。
そこまで聴く者に感じさせてしまってこそ
この歌を歌いきるということなのでしょう。
シャンソンって、人生のドラマの縮図とも言われるけれど
確かに、そんなところがありますよネ。
とにかく、別れを告げる側の哀しみを、
さりげないけれど、しっかり伝えてくれて
聴きこむほどに良さが身にしみてくる名曲です。
(没後20年の2年前、シングルが再発売されたそうです。
とにかく、フランス人はこの歌、大好きなようですね。
話しているような、言葉による微妙なリズム感が、
とてもシャンソンらしい・・・)
あ、ところで、「無慙(むざん)な風に吹かれた」ですが
オリジナルのヴェルレーヌの「秋の歌」では
Et je m’en vais
Au vent mauvais
となっています。
この歌のタイトルは
Je suis venu te dire que je m’en vais
ですから、 Au vent mauvais だけでなく
ゲンズブールは je m’en vais も本歌取りしているかもしれません。
あの詩の中で、 je m’en vais は
あまりいい使われ方ではありませんから
立ち去る にしても、その後、お前にいいことはないだろう、なんて
実際は振られた形のゲンズブールが
無慙な願いをバーキンに仕掛けているかも・・・・?
「いみじくも」という訳し方は、
2013年10月4日現在
ネット上ではほかに、検索できませんでした。
ゲーンズブールのほうは
バーキンのすすり泣きが、なんとも・・・。
語るべき言葉なんて、あるのかな?
こんな時に。男は。
案に相異してゲンズブールは小心者ではなかったでしょうか?
そんな気がしてなりません。だから虚勢を張ってしまって・・・。
女性に対しても、俺のことを愛しているか?
と常に問い詰めずにはいられないといった・・・。
支持者に、本当に俺のことを評価しているのか?と
脅迫的に確認を迫った尾崎豊のように。
子供たちのオマージュに、目を赤くし
言葉を失い、涙さえ浮かべて。
これもゲンズブール。
むしろ素顔のゲンズブールかもしれない。
On est venu te dire qu’on t’aime bien
あなたを愛していると言いに来た
バーキンは、ゲンズブールの歌を伝え続けることに
意義を見出しているのかもしれません。
レオ・フェレの名曲「時の流れに」でも、
ゲンズブールのことと推測してしまうのですが
歌い進めるうちに涙がこぼれ
歌い終えると同時にガックリと首を垂れてしまって・・・。
(それを、演出に過ぎない、なんて言うのは
斜に構えすぎというものです)
世界的にはバッグで知られるわけですが
どうして、エルメスの社長が飛行機で隣り合わせたバーキンに
バッグを作って進呈したいと思ったのか、がポイントです。
有名ブランド関係者をそんな気持ちにさせる
セレブリティーとしてのジェーン・バーキンの価値って
何よりもまず、歌手であるところから発生していると思うのですが。
その点、女優だったグレース・ケりーと同じですね。
バッグより以前に、第一に
こんな素敵な歌も歌っているって、もっと知ってほしいな。
もちろん、日本人は
東日本大震災後の彼女の行動も記憶すべきです。
ケイティ・ペリーも敢えて来日してくれましたが。
多くの外国人アーティストが演奏活動をキャンセルしました。
ですが、ジェーン・バーキンとケイティ・ペリーは
日本を訪れてコンサートを開き
復興へ熱い支持・支援を表明しました。
レディ・ガガほどには知られていないとしても。
(で、日本は、ジェーン・バーキンの取り組みに感謝して
外務大臣表彰を贈っています。
化粧っ気のない、喪服の姿が、かえって美しくみえます)
ゲンズブールのこの悪たれっぷりったら^^
生きることがそのまま一流の芸になっちゃう。
この行動をもってしても、
彼女が過ごしたゲーンズブール的混乱は
少しは評価され直されるべきではないでしょうか?
彼女はいつも意識してか無意識のうちにか、ラディカルに物を見ていた。
ゲンズブールとの共通性は、彼女自身に由来するラディカルさにあった。
ヨーコ・オノとジョン・レノンと多分、同じように。
人間関係であれ、ファッションであれ、音楽であれ
おためごかしなど辞めて、行き着くまで行き着いた徹底の果てに
なにがあるかを、いつも、意識していた.
表面的なことにだまされず、徹底して
隠れているものを見つめろ、と
初めはゲンズブールに教えられたのかもしれないけれど。
そういうブレない見識というか、覚悟ある生き方が
放射能汚染の日本を怖れる世界の常識の大部分が、
実は必要以上の恐怖と怠惰でしかないと見抜かせたのでしょう。
常識の陰に隠れて、見識と勇気のなさに口をぬぐう人間ではない
と、自ら証明したのでしょう。
人間として、まぎれもなく一流であると
自らの行動で証明したと言えるのではないでしょうか?
歌手として活動するから、彼女の意思も人間性も
こうして確認できます。
バーキンというバッグを捧げられるに値する
尊敬されるべき人間ですね。
自分も同じようでありたいと思わせる勇気ある女性です。
ちなみに。
ヴェルレーヌの
「無慙な風に吹かれた」を含む「秋の歌」をコピペしておきます。
上田敏の詩集「海潮音」に収められています。
ほかにも素晴らしい訳がありますので、当たってみるといいかも。
この詩って、第二次大戦中、ラジオで2度読み上げられ、2度目は
連合国によるフランス上陸作戦(ノルマンディー上陸)が2日後に行われると
フランス国内のレジスタンス組織に知らせるために使われたんだって。
で小説「ナンシーの戦い」で読む通り、ドイツの戦車がノルマンディーへと
向かわないよう、フランス国内の橋を爆破したりしてレジスタンスを展開しました。
秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。