パワーストーンの真実。

舎人独言

華麗なる賭け チェスシーン 解読 男と女の駆け引き マックイーン ダナウェイ 

世界の永遠の名曲、どれだけ知ってる?
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で、ここでは映画「華麗なる賭け」の解読を。

8月31日は  I love youの日
I love you にはアルファベットの数の8、単語の数の3、それだけしか
あり得ない意味の1が秘められているから。
8月31日には恋人や家族、友だちに I love you の気持ちを伝えませんか?

いいね! を集める方法・・・2つ目のマグカップの動画です。
不思議は、23秒から始まります。
手品でも催眠術でもありません。誰でもできます。
5000年前のアナログ(振動波)さ!

なんとも息づまるチェスシーン
実はある補助線を引いてやると
この緊張感あふれる無言劇で
なにが展開されているのか
理解することがさほど難しくなくなります。
それは、二人が共通して知っている或るボディアクション。
この仕掛けを読み解くことで、勝者なき恋愛を描いた
この映画の奥深さにひたってみましょう。

あ、でも、どうもそうらしいと分かったのですが
日本人は普通、洋画でみる恋愛を、自分たちもしていると思っているけど
作家、松井今朝子氏が直木賞受賞後、読売新聞に寄稿し
当サイトの「狭き門」と「ノルウェイの森」で紹介してきたように
日本人のそれは恋愛ではなく、レンアイなのです。
実は似て非なるもの。その証明となるのが、このチェスシーンです。
こうした意思と意思を切り結ばせて無言劇を繰り広げられる精神は
普通の日本人は持っていませんね。意思と意思で論理的にやり取りを行い
ひとつの大聖堂をきずくような恋愛を創っていく力って、日本社会ではまだ
定着していない。漱石や鴎外によって輸入された「恋愛」、まだまだです。

9億円? それとも、恋?
欲しいのはどっち?
ただし、9億円は実際は10倍以上の価値かもしれません。。
しかも現ナマです。それから
恋とは、共に生涯をかけてみたい、待ち望んでいた女性との恋です。
・・・・・・・・・
9億円を捨ててでも、女性との恋を夢見た男ーー。
それが映画「華麗なる賭け」という物語です。

たいていの物が金で買えてしまい
生きることの実感が得られなくなった知的で大富豪の男が
予定調和を、どうか破ってほしい、手ごたえある人生の
きっかけになってくれないかと
女に仕掛けた華麗なる賭けの物語です。


  
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ヒリヒリするとか、セクシーとか言われるこのチェスシーンを
youtube で確認しつつ、ネタバレ覚悟で出来る限り
事実を挙げて、実証的に、分析的に読み解いていきます。
この映画のファンだったら、これを知らなきゃ
死ぬに死ねない!?

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    ★ノートルダム大聖堂の聖なる秘数
    ★オパキャマラドの風景
    ★名盤「クリムゾン・キングの宮殿」の実在のモデル発見
    ★映画「男と女」サンバ・サラヴァの謎

    といった解読シリーズがあります。

2013年7月6日現在、ネット上では
ほかに指摘がないようなのですが
ポイントは、「解読」の根拠として提示する
あるボディランゲージです。
ボディランゲージもいろいろですが、指だけを取っても
たとえばハワイの親指と小指だけを立てて回転させるシャカ・サイン
(アロハの意味)、人差し指と小指だけを立てるなら evil fingers
(イーヴル・フィンガーズ、コルナの別称も)で侮辱、悪魔崇拝の意味。
ただロックなんかでは単に、ロックだゼ!!!ほどの意味。
高校野球ではツーアウトね^^
アメリカの手話から広がりましたが、親指、人差し指、小指を立てると 
I love you。
親指だけを立てたら、フェイスブックでも知られる good で
中指だけ立てたら侮辱の表現で、fuck you ってこと。
これ、気軽にやったら逆にボコられても文句を言えない。
しかし男性の生殖器官周辺をかたどるこのサインは、ローマ時代から
あったといいますから、根強い象形文字ならぬ象形手話?です。

さて、そのボディランゲージは、まるで台風の目です。
トマス・クラウンとヴィッキ・アンダーソンは
問わず語らずのまま激しく、また微妙に発信し、
互いに正確に読み解き、二人の間では明確に意思を伝え合いました。
チェスと男女の想いと、二つの読み解くべき仕掛けが同時進行する中
二人が交わす視線と表情と仕草はすべて
この台風の目に向かって突き進み、到達したその地点、その台風の目
からすべてがあふれ出て行きました。

そして
この無言劇で斬り結ぶ二人のさまは、本当は
相性の良さと運命的な出会いである証明になるはずでした。
セリフなどなくてもいい。言葉など要らないのです。
そのさまは、ある時、
恋とはほとんど視線なのだ、という証明でもありました。

その解読は、しばらく下にスクロールして
次の「チェスシーン  on youtube」(太字)の下から始まります。
お急ぎの方は、ショートカットして、どうぞ^^
(それでなくても、読解に大量の言葉が必要でした)

え~、しかし、同じ映画を見ても
人それぞれでして。
勝手に感想を語る権利と自由は
ちゃんとみた、と言える人なら誰にもあります。
ありますが・・・。

9億円以上の価値のある女性。
ウーム、愛はお金では買えないと言いますが、
9億円となるとかなりのことができます。

( 9億円の根拠は、最初の銀行強盗で奪った260万ドルを
当時のレートの360円で掛けて、9億3600万円。
その後のインフレ率を10倍と考えると、90億円を超えます。
ですので90億円としてもいいのですが
1ドル=100円の生活感覚とするなら、実感としてはその4分の1でしょうか。
でもインフレ率が10倍なんて低く見積もりすぎですから・・・ネ

二度目の銀行強盗は、初めのとちょうど同じくらい、
という銀行の規模を根拠としているだけです。
それを根拠に、
トマス・クラウンが、ゴミ箱にドロップするように指示し
ヴィッキのために捨てることもいとわなかった金額を
仮に9億円とたわけですが。

いつもの脱線です。
江戸川柳に
世の中は 金と女が仇(かたき)にて どうぞ仇にめぐりあいたい
なんてあります。
たしかに9億円に代えても惜しくない女性なら
どうぞ、めぐりあいたい・・・。
(仇討ちは、実際、めぐり合えないまま
一生を棒に振るケースが多かったそうですから
 川柳の笑いの裏には、なんとも苦い深刻な事情が潜んでいます。
 そして恋愛では・・・)

さて、オリジナルタイトルは The Thomas Crown Affair です。
Affair はトーマス・クラウンによって引き起こされた
robbery 「強盗」という affair 事件 と 
トーマス・クラウンが体験し、体験させることにもなった
Love affair〈恋愛、情事、不倫などの意味〉のダブルミーニングでしょう。
多くの方が指摘している通りですね。

で、舎人の友人の一人は、この映画を見て、
サスペンスなのか恋愛モノなのか
中途半端でさっぱりわからない・・・なんて、首をひねっていました。
もちろん、答えは・・・恋愛映画です。それも大傑作の。

(映画のファッションとか、風俗といった時代性で
 今の自分たちには関係ないと、だまされてはならないでしょう。
 2500年ほど前のアテネとスパルタの戦いを伝える有名な著作で
 人間の本質とは、簡単には変わらないものだと知りました)

ともかく、アクション映画とは違う興奮が呼び起こされます。
スティーヴ・マックイーンのスタイリッシュな生き方と、にじみ出る渋さ、演技力、
フェイ・ダナウェイの、むしろ語らないときのほうが雄弁という
圧倒的なクールビューティぶりを得て誕生した
永遠の、不朽の名作でしょう。

大人の、大人による、大人のための映画です。
そして、「華麗なる賭け」という邦題の、なんと素晴らしいことか。
日本映画史上、洋画の邦題ネーミングランキングなんて企画があったら
まずベスト3に入るのではないでしょうか?
というより、知る限り、ナンバーワンなんですけど、なにか?

この映画で有名なシーンが、既に申し上げた通り、
緊張とともに、その緊張ゆえに官能が高揚し、
性の香気が充満していくチェスでのバトルです。
これも、たくさんの方がただならない雰囲気を感じ、
ネット上で採りあげていらっしゃる通りです。

二人の表情のアップが執拗に交互します。
男と女がなにか、戦いを演じているとは、
察知していただけると思います。
無意味なアップなんかでは、そもそも映画がもちません。
才気豊かなあの監督が、そんな無意味なこと
するわけがないじゃないですか。
当然ですが、意味が読み解けなければ
みる側には無意味で、退屈なアップでしょうけれど。

後述しますが、アップにするだけの意味に支えられて
ちょっとほかに例がない
官能的かつエロティックなシーンとなりました。
スティーヴ・マックイーンもフェイ・ダナウェイも、恐らく、
綿密な打ち合わせと指導を受け、表情演技をみっちり研究してから
撮影に臨んだことと思います。
正直、日本人って、瞬間のエロティシズムならともかく
このように時間を要し、構成していくエロティシズムって
普通では持てない気がします。

「気」を発振する不思議な翡翠マグ と I love youの日(8月31日) の
青雲舎(株)が日本語への置き換えに挑戦しています。
それは歌の世界を可能な限り正確に理解するための試みです。
無断転載はご容赦ください。リンクはフリーです。

凄(すご)いシーンを、凄いと本当に理解するためには
根拠となる情報が必要です。
もし、あなたに、あるボディランゲージ(仕草による言葉)について
知識があるなら、このチェスシーンを明確に読み解くことは
十分にできたはずです。

そのボディランゲージですが
それは、唇と唇の間に指をホットドッグ状に挟み、
上下に揺するというもの。
これ、やたらにやるものじゃありません。
make love  つまり、 fuck の意味なんです。
この4文字、なかなか発音できませんね。
4 letter word と、そんなジャンル分けを教えてくれた
アメリカ人の女性講師は、わたしは発音できない、と慎ましやかでした^^
だから、このシーンが sexy なものになるのも当然でしょ?

この指のアクションをまず女が仕掛けます。
誘いの一手。
男は、そのアクションを少し崩して再現し
誘いであるかどうかを確認しようとします。
このシーンをどうぞ、お見逃しなくなく。

映画の中では、ボディアクションはあからさまな基本形では出てきません。
粋じゃないから、知性のある男も女も、あからさまなことはしません。
そんなデリカシーのない相手なら、そもそも付き合う値打ちもありません。
だから、感性を疑われて終わりです。
しかし、あるメッセージを込めた露骨なら、意味合いは違います。
男は敢えて、その露骨をやってみせるのですが。

ともかく、基本形を充分にイメージさせる、でも偶然だから意味はない
と主張することもできる余地を残すだけ、基本形からはずれて
発信するボディランゲージ。その仕草から
確認やら承認やら、問わず語らずの会話が繰り広げられます。

さて、慢性的退屈をかこつ大富豪、
トマス・クラウン(スティーヴ・マックィーン)と
フリーの保険調査員で、
取り返した金額のパーセンテージを獲得するのが仕事の
ヴィッキ・アンダーソン(フェイ・ダナウィエ)が
チェスをしながら、無言で語っていたことは・・・。

恋とはある意味、対決です。戦争です。
紹介ずみのフランス映画「男と女」でもそうでしたが、
欧米の恋愛は孤独と孤独、それぞれの
事情と事情を持ち寄り、ぶつけあいますから、キツいです。
その分、キマった時は、最上にかっこいいわけですが。

ゲームだから無難なようでいて
実は相手がどういう人間か、知るのにピッタリくるのが
欧米では、チェスでしょう。
音楽も見事に状況説明していきますから(ホントです)、要注意です。
まったく映画作りの上手さ、おしゃれさ加減に感服してしまいます。

セリフの最後は、トマス〈マックイーン、以下、男〉の   Do you play? 
ヴィッキ〈ダナウェイ、以下、女〉が応じる   Try me  でした。
(この2つのセリフ。あとで結構、効いてきます)
そこから、あの華麗でエロティックな無言劇が始まりました。

何事かが始まるかのような音とともに、いよいよ幕が切って落とされます。
暖炉では少しだけ火が燃えています。
伴奏は古雅なハープシコード(チェンバロ)。まずは優雅に。
トマスのほうは、自宅に迎えた極上のクールビューティに
下心はあっても、ヴィッキの意図をはっきりはつかめないままです。

客人を迎えた主人として、礼儀を守るべき段階の関係ですから
男は女の挑戦するような視線を、
まずは常識通り、保険調査員の探索の目として受け止めます。
とりあえず建前で、プライヴェーなど考慮のほかと対応します。
普通にチェスをする、ちょっと緊張した程度の面持ちです。
(後述しますが、有利な先手をホストが取るのは礼儀からはずれます)

女が挑戦的に攻撃するのに、
男はホストとして余裕の表情で応戦します。
一手指して腕を組み、眉をつりあげ、
「こんなのはどうかな? お手並み拝見さ」

女は意外な手を指(さ)したようです。
男は表情ばかりを見ていましたが、盤面に目を戻して
「おいおい」と意外な表情。
女が実はチェスでは意外に好敵手であり、
真剣に対応しなければいけないことを悟ります。

「さぁ、どう?」
いつも相手にしているバカな女ではないことを悟らせて、
まずは満足げに、これは戦いであることを宣言して見せる女。
と、盤の外に両手を置き、上下にパタパタと動かせ
自分の体に男の注意をひきつけようとします。
足というか下半身を、さらにしっかり開いていきます。
女性の常識として、このような足の動きは
なにか意図がないと、ありえないのでは?

相手の出方の意図がよくわからずに顔をゆがめ、ネクタイを緩める男。
「たかがチェスのプレーにしては、この女、様子がおかしい・・・」

・・・と、女は敢(あえ)て身を乗り出します。
男に見せつけるためです。
体の線に沿って、胸元サイドから上腕部へ、
何気ないそぶりに見せかけて、
右手は、指し示し、撫で上がり
チェスに集中しようとする男を混乱させます。
女の狙いはチェスに勝つことではありません。
勝利を争うことは強烈なスパイスではあっても。

狙いはなんだかわからない。しかし
明確になにかを仕掛けてくると見える女。
それも今までつきあった単なるかわいい、コケティッシュな女とは違う。
男に媚を売るだけがとりえの女ではない?!
こんな歯ごたえのある女性は、それまで、いなかったのでしょう。
男にとって大抵のことは経験済みです。
世界は既に予定調和に満ちてしまった。
人生に倦(う)んでしまっている状態なのです。
だからこそ、刺激を求めてやまない男は、
銀行強盗を計画したのです。
そしてこのチェスゲームでは
意表をつく行動を摂る女に思わぬ新鮮さと噛みごたえを感じ、
その動きをつい目で追ってしまうのです。

が、ともかく、再び注意をチェスに向けます。
額に指をやって注意力を集中させようとします。
が、しかし、どうにも女の意図が気になって、
やっぱり、次は何を仕掛けてくるのか、動きを確かめたくなります。

「ここは失礼を承知のうでえ、思いきって確かめてみるか。
向こうがチャレンジしてくるなら、こちらもチャレンジだ」
金持ち特有のものなのか、女性というものをナメています。
ですが、しっかり、つまり相手の仕掛けに正当に反応するという点では
男も女も同等の権利が許されています。
失礼ではあっても、同時にフェアでもあるわけです。

君が疑われる素振りをするからだ、と
いざとなれば、言い訳もできます。
一手指して、次の手を考えるのに熱中していると見せかけ
敢て例の make love を意味する指と指の間の指という
ボディランゲージを、ちょっと形をずらして見せつけます。
女の反応は、どんな・・・・・・。

音楽にご注目を。
ホルンの音は、王侯貴族が狩りを開始するときの恒例の儀式です。
キツネ狩りではありません。
トミーの獲物は、これまでになく魅力的な目の前の女。
しかし、逆転させてみれば、どちらが狩られる者なのか?
いよいよです。

つまりホルンは、男女のどちらが狩る者で、狩られる者かはともかく
ハンティングの始まりを意味すると同時に
二人が魂において王侯貴族であることを告げてもいます。
ただラストの飛行機のシーンで、トーマス・クラウンは座っているだけなのに
王侯貴族の男としてのダンディズムを体現しているのに、
ヴィッキは結局、ビジネスウーマンでしかないことを露呈し、
高貴な魂など持っていないことを露わにして運命を分かつのですが。
スタンダールが語ったように、まことに
大いなる情熱〈グランド・パッション〉は貴族のもの
なのでしょう。

「君、狙いはこれか?」
注意をひくために、唇の間でことさらに激しく、指を上下に動かします。
自然を装いながら、ほとんど原型と言っていい露骨さです。
男は love affair でも大胆なのです。男としての力強さなのです。

ミュートトランペットの音が、指の動きに重なります。
音楽でも指の動きをなぞって、視覚と聴覚で
ボディランゲージを強調します。
ホント、うまくつくっていますね。

目は必死に、女がどのように反応するか、
その反応を読もうとしています。視線はあまりに雄弁ですね。
なんのテクニックもなく、素直に、君の意思を知りたい、と語っています。
視線を受けた女も、否定も、とぼけて視線をそらすこともしません。

どちらも、肝心なときに、意味のない建前なんかに
とらわれたりなどしません。
踏み込むべきときには、果敢に、平然と、怖れもなく
踏み込む勇気と知恵を持っています。
必要なら軽やかに一線を超えてみせる大人の
最良の部分で戦っているのです。

怒ってみせることもできる無礼極まりないボディランゲージですが
女は敢て男の意思をしっかり受け止めます。
そのうえで、笑顔でやわらかに返します。
「あっさり、やってくれるわね。さあ、そうかもよ」
この、あいまいさ。やわらかな対応が肝心です。
男には、恐らく刺激以上の、何よりの媚薬です。

急展開に追い討ちです。女は
顔の横、つまり唇の近くに手を動かしていきます。
男がわざわざボディランゲージをしてみせた唇という部分に
男の注意を引こうとするのです。
唇には唇を。
二人は気持ちのうえでも真正面で向き合い、
無言とはいえ、激しい意思の応酬を繰り広げます。
「言いたいこと、こちらも意識はしてるわ」

長いホルンに引き続いて、ロマンティックな表情のストリングスが
一瞬、空気を変えます。
女がしっかり受け止めてはいるだけに
「どっちなんだ」と、男は焦り気味。
ただ単に、じらされ、からかわれているだけなのか?
そうなのか?

女の指は、次の一指しのためですが、
ちょっと窮屈げに、わざわざ唇の横を通って出されます。
顔の周りの影がとても謎めいています。
焚き火は、少し大きく、少し高く燃え上がっています。

男は、手を進めるべきチェスに集中できず
さらに、女の真の意図が読みきれないじれったさを
苛立ち気味に、指の動きで示します。
女も同じフィンガーアクションで応じています。
でももう少し優雅に。
あなたに気持ちを合わせていくわ、と言わんばかりに。

つまり実は自分をしっかり自分をコントロールしつつ、
こう告げているわけです。
「わたしも集中していない。落ち着かないわ。あなたと一緒よ」
演技ですから、嘘でしょう! なんですけどね。
時に、相手に合わせることも大事。

女は指を、あご、つまり核心である唇の下にまで動かしたうえで留め置き、
自らの視線を、男の視線にまっすぐ絡めていきます。
「ちゃんと見なさい。わたしの意思から逃げないで」
そして
「そうね、あなたの推測は当たっているかも。で、どうするの?」
となれば、チェスに目をやっても、どうしても女のほうが気になる男です。

目をパチパチさせて考えをめぐらせます。唇をかみます。
女の視線を意識しつつ
チェスも、女も、一筋縄ではいかない状況です。
特にチェスは、ヤバイ。

「これは誘いだろう。make love を否定しないようだが
向こうの手に乗ってみるべきか? 
それにしても、先手を取られてばかりが気に入らないが」
まだ引き返すことはできるのです。
言葉に出していないボディランゲージによる対話だから、
チェスの手を考えていて、そんなことをしたかなぁ、と
まだすっとぼけることはできる・・・のです。

が、視線を女にやると、案の定、女が挑むように自分を見ています。
挑戦を止めない視線。
なのに、と言うべきか、そしてと言うべきか、
唇は半開きです。すでに開いているのです。
それが女の意思です。
ここで引き下がっていられるか?
まっすぐに自らを飛び込ませることができる、 
しなやかで強靭(きょうじん)な、またとない女が現れたのではないか?
謎めきながらもロマンティックなメロディが再登場します。
男の気持ちの変化を反映して、より力強く、華やかに。

眉をちょっと上げ、女に
自分の意思を送って挑戦にこたえる男。
「俺とね。いいね。やるもんだ」
受け止めて逃げない女。
揺るぎもしません。恋とは視線です。

物問いたげな目と物問いたげな唇。
女の瞳には
本物に見せかけた願望と
恋のゲームを楽しむ若干の茶目っ気のきらめき。

男はさらに意外性に驚かされます。
追いかけるように、女が唇を、気持ち、動かして見せるからです。
まるで筋肉が意思とは無縁に動いたかのように。
いや、動くというより、男の気持ちとしては
なにかがうごめいたような。
ひそやかな謎の進行。二人でいるという強烈な意識。

「いい女だ。合格だ。その気にさせられたよ」
目と唇で意思を告げられ、女の誘導に合わせてしまっています。
それでいいと受け入れています。
唇の微妙な問わず語りに
「想像以上に、やるじゃないか」
男としてのハンターの本能が、女の意思によってあからさまに戒めを解かれ
次第に目覚めていきます。

そう来るなら、と、男はいったん視線をはずして斜に構えます。
主導権を自らが握るためです。余裕が肝心なのです。
それが、いつもの男の流儀です。

と、男の視線を意識しながら、
女の指が動いてダメ押しをかけます。
「ん?」
なんと、女の指が唇と唇の間に・・・。

甘美な時間の約束。
男のボディランゲージに正しく向き合った女のボディランゲージ。
同じ意味を持ち、対等の強烈さを持つ、男の願望どおりの回答です。
つまり、さらなる、決定的とも思える展開です。
女による意思の表明によって
二人の関係に、新たなギアが入ったと
音楽が告げます。(本当に、ギアの音!)

女の大胆さに魅入られたように、目を見張る男。
敬意すら覚えるでしょう。女は大いに得点を挙げているのです。
女は、男のように、指を露骨に上下に揺すったりなどしません。
そこはあくまでも優雅に。
自分を美しく見せ、高く売ることは心得ています。

いや、むしろ、甘える女にもなれるわ、とでも言いたげです。
いろいろ指を遊ばせ、男の視線を許し、そして命令し
男に確認と合意を迫ります。
男がさまざまに想像することを要請します。
ここでは、女が、男の想像力を試す、つまり try させるのです。
なぜなら、想像力こそ、恋愛のゆりかごだから。

指を唇と唇の間の奥へ短く、ねっとりと、くわえて見せます。
下品です。でも美しい。女のその明確な意思の力によって。
touche トゥシェ!
とどめの一撃。
露骨だけれど、秘密の意思の交換によってダーティではない。
ある種の男には、女性から施される最良の口説きです。
音楽は、「そして、ついに・・・」と、
一気に、しかし、おもむろに告げます。

それは、能(よ)く想像することで
女の意思を間違えることなく読むことができる男へのご褒美。
そして、それが女の意思でもある
近い未来での高揚(それが何かは、わかりますね?^^)が
男に告げられ、宣言されたのです。
音楽をお聴きください。
まったく一瞬のひと突き。深々と。そして余韻。

受けて立った男も再度、指を唇にやって
確認と合意を女に伝えます。
こちらは、ちょっと下品に。
かたじけなくも宣言を受けるつもりなどありません。
決めるのは自分なのだから。
あくまでも、男がおのれのルールで決めるべきこと。
しかし、女の勇気と才智は充分に認めて。
ただし、「ここまで、やるものか」と半ば、あきれもして。

と、女は、さらに決めにいきます。
次の手を進めようと、黒いナイト(騎士)を持とうとします。が・・・
いったい、何に指を絡めたものか。ナイトの、馬の・・・。
ナイトを操るのは、わたし。
上下の動きも思わせぶりに。

 (どなたも指摘していないのが不思議なのですが
 このシーンのために、わざわざ、
 女が後攻となっているのではないでしょうか?
 ホストという立場からも、男が後手の黒を取るべきでしょう。
 有利な先手は、白駒なのです。それなのに女ではなく、男が黒。
 制作意図は・・・敢えて女の白い指に、ナイトの黒い馬をつかませたい・・・。
 それに、それでなくても、女性は白という色を取りたいものじゃないかな?)

女の視線は上目遣い。
一見、そんな時に、男の意思の軍門に
しおらしく降ることもありそう・・・
と、見せかけて。

女の指と視線の語る意味を
男はすっかり理解した気分です。
満足の笑みを浮かべています。
「オーララ。そりゃそうだ。大変に、結構」
まったく嬉しそうな、勝利も同然という会心の笑み。
少年のように、無邪気なものです。
少なくとも、精神的には
この女を、すっかり落とした・・・。

が、女の手ごたえは、こんなものじゃない。
そうはいかせない。女の方が上手です。
その瞬間、チェス盤の下で、さらなる意外性を繰り出しています。
ほかならぬ下半身への攻撃。いや、意思表示。
「どうするの? 男でしょ?」
女は大腿部の内側で男の足を小突きます。
あくまでも偶然の接触かもしれないと見せかけた
甘く、動物的な、そして今となっては間違えようもない誘い。

いいえ。そうではありません。それは
「受け取りなさい」という命令なのです。
あくまでも女による、女のための、女としての命令。
なおも余裕を見せようとした男に、簡単に主導権を確保させません。
そして女はすかさず、男の右手に自分の左手を寄せます。
「お互いに了解したわね」
男は軽く女の指をたたいて同意を与えます。

お前がわたしの大切な女であることの同意。
わたしがお前に所属することを許す同意。
お前が特別であることの同意。
わたしがお前にとって特別であるだろう同意。
性を通して、二人は魂を交換するはずだ。
喜んで与え合い、確認しあうのだ。
失われていた、わたしのもうひとつの片割れ( the better-half ) を
わたしは見つけたのか?
アンドロギュノス神話はもはや神話ではなく
稀有な、この上なく幸運な現実となるのだろうか?
(アンドロギュノスはプラトンの饗宴に現れています。
ウィキで調べてね。ベターハーフの意味がおわかりいただけます)

女は主導権を渡すことなく、チェスでも恋でもチェックをかけます。
男はチェス盤を見おろし、敗戦までの過程を振り返ります。
そして、本来のチェスとは異質の「ルール」が介在していたため、
フェアプレーが守られたゲームではなかったと確認します。

それならば、負けは負けではない。
代償の確保のしようは、ある。
その時間で、もっと心を傾けたゲームで勝てばいい。
“Let’s play something else”
主導権はこちらだとばかり、力強く女の唇を奪います。
Playから始まる何か。
魂さえも真剣に奪い合えることができるかもしれない何か。

女は、これを拒もうとはしません。
男の強引を受け容れることが、女の勝利だからです。
場面は、先に紹介した映画「男と女」のラストと同じように
グルグルとめくるめく周ります。
言葉のない濃密な対話を繰り広げたのと正比例するように
正しく自分と向き合えそうな相手を見つけたと確認するかのような
二人の長く濃密なキスシーンです。キスというより愛咬(あいこう)。
卑猥なのか美しいのか? 動物として振る舞うことは。
(「狭き門」とは正反対ですね)

しかしまた恋愛とは肉体ばかりでなく、頭でするのです。
頭でしびれ、心で震え、身体で燃えるのです。
焚き火は、音楽と一緒に最大限に燃え上がっています。
祝福そして浄化。

さて、このチェスシーンを、日本人が演じられるものでしょうか?
恐らく無理でしょう。
なぜって、日本人には以心伝心という奥の手があります。
こうした応酬のやりとりが3回もつづけばもう容量いっぱいで
あとは「クドいっ!」と一方が怒りだしかねない。
「秘すれば花」そして「水に流すを以って良し」とする文化的素地
が伝統なのだから仕方がない。
一方の西洋型恋愛では、こうした応酬のやりとりこそが面白いんですね。
期待通り或いは期待以上の応答が返ってくると、そこに個性の煌めきとか
相手の美質を感じて、こちらの感性もどんどん発揮されていくようになる。
こうやって相手の人柄に触れ、感応して恋が生まれていくわけです。
日本にはレンアイがあって、恋愛がないという証明のチェスシーンです。

しかし、くどいですね。くどいというより執拗。
追いかけて探求に倦むことのない筋金入りの官能でしょうか。

日本型のレンアイ感覚では、これは・・・くどいです。
西欧のある種、貴族的なロマンスとは、このように
打ち合いをするかのようなやりとりが
love が loveで あるための証明であり、醍醐味だったのでしょう。
フランス初の心理小説「クレーヴの奥方」もそうでした。
(そうでない、お手軽な欧米人も多いと思いますが)

その意思のやりとりが、ついには
大聖堂のような見事な建築に結実するかもしれません。
建築性というほどの構造を持たず、
情とか色とか、惚れた腫れたになりがちで、
結実するとしても大輪の花止まりといった
どこかの国のレンアイ事情とは、どうにも異なるようです。

欧米のいわゆる「恋愛」の特徴は、このシーンで見るとおり
二人の間で、意思のやり取りが基本的に
ちゃんと位置付けられ、互いに把握されるという点でしょう。
意思と意思のぶつかりあいであり、意思の交換である点です。
それが、文字にすれば、とてもくどく感じられます。
しかし男であること、女であることをどこまでも追究するには
くどさが必要なのです。論理的であることのくどさ。
この映画では特に、男は人生の意味の確認をかけている
様相すら帯びています。

ともあれ・・・こうして二人は、恋人であると同時に
獲得するべきパーセンテージ(賞金)を間にはさんで
ハンターとターゲットという一種の敵対関係を築きます。
お金というステージでは、女がまぎれもなくハンター
という設定が心憎いところ。

視線で語れるということは、想いが深いということです。
相性も本来、いいのでしょう。
しかし、そんなことには一切、考慮する価値を認めず
あくまでも仕事と、クールに振舞っているつもりの女。
そんなクールな女でいる自分が好きなのかも知れない。

女は女で、自分の性のハンティングをプレー中と知りながら
男は、この女ならば・・・と
女が与える刺激に、まさしく正当に反応していきます。
自分にふさわしい可能性を持つ女性として
探してきた人生を共にできるかもしれない better-half として
女をみるようになります。

(以下、ネタバレとなりますので、ご注意を。
なにをいまさらですが)

刺激を求め、遊びをせんとや生まれけん、とばかり
人生に真剣になれないでいた男です。
しかし、女に気持ちを傾けることを自らに許していった結果
男は女に問いかけることになります。
ただの仕事だったのか? 真剣に俺を愛したのか?
Do you play? 
その結果が、奪った現金をゴミカゴに隠した墓場のシーンです。

サスペンスではありません。恋愛モノなんです。
だから基本、金に意味はありません。二度目の強盗は
あっさりと描かれるだけです。
その意味は金ではなく、女への問いかけなのですから

純粋に人を信じたい。気になる女、好きになった女性を
素直に信じたいという心の動きは、
トマス・クラウンが、少年の心を持ち続けているからこそ
という気がします。チェスのプレー中、
あの表情を見せておく必要があった、ということになります。

墓場に来た女は、あくまで仕事モードです。
警察を連れ、男を逮捕するつもりで現場に乗り込んできています。
二人して過ごした、短いけれど濃密な思い出は
本物の恋とか愛とか、
甘っちょろく夢を見るようなら、男はバカよ。
それこそ、わたしにふさわしくない証明。
あくまでも仕事のため、と見ることに全くためらいがない女。
ゴールは、パーセンテージだけなのです。
男との楽しいひとときは、あんなもの、あくまでも寄り道のエピソード、
行き掛けの駄賃。人生の重大事なんかであるはずがない。

もし、女が男を愛するようになったのなら、
女は警察に知らせることなく男を追ったことでしょう。
男は、まさに、それを願いつつ、電報でメッセージを送ったのです。
ゴミ箱にドロップした現金を持ってくるようにと。

“Left early.Please come with the money or you keep the car.
All my love. Tommy.”
「早めに発った。どうか、金と一緒に来てほしい。
でないなら、車は君のものだ。全ての愛を。トミー」

むしろ女がとどまって
追いかけて来ない可能性は大きいと知りつつ
選択を女に任せたのです。
その時は、ロールス・ロイスが別れのプレゼントです。
それが、男が女に発信した Try です。
Pleaseという言葉と
トマスではなく、愛称であるトミーという署名が
男の祈るような願いを語っています。

男は、賭けたのです。
わたしは、君を信じたい。
君は、わたしを信じてくれるか? わたしに賭けるか?
賭けてくれるか?
大金などどうでもいいくらい、大切な君なのだ。
トマス・クラウンにとって、ヴィッキとは、ようやく
「わたしを信じてほしい。愛してほしい」と願うことができた女性なのです。
これまでの、ほかの女性とは違うのです。
「君こそ」なのです。

君は、わたしを信じてくれるか?
信じあえるという、そのことこそ
love を支え、育てていく基本の中の基本だからです。
先に紹介した映画「男と女」でも
アンヌとジャン・ルイのすれ違いの理由は
「わたしたちは信じあっていなかった」
と、歌われていましたね。
トマス・クラウンも、巨額の金の行方を賭けて
わたしたちは信じあえるか?と、
ヴィッキに訊ねたのです。

大金と引き換えにしてでも、男が自分を望んでいた・・・・。
信じようとしてくれていた・・・。
その瞬間、女は、二度目の襲撃とは
自分に課せられた、新しい Try だったと悟ります。
女は電報を破ります。
相手を見切っていたのは、わたしではない。
男が、わたしを見切っていたのだ。

破かれた電報は、本当の恋を知らない、知ろうとしない
愚かな自分なのかもしれません。
Try me と積極的に応じ、無言劇の沈黙を破って Check  をかけた自分。
なのに、フェアに、心の底から男と正面で向き合えなかった女。
真剣に向き合ってくれた男を信じず、生涯で唯一となっただろう愛を信じない女。
学業と仕事はできるが、なんのことはない、恋愛ができない女。
人生で一番大事なことを見抜けず、賭けることができなかった自分。
高貴な想いなど、ついに持ち得なかった女。
嫉妬をするようになりながら、ただひとりの恋する女になれなかった自分。
男の、人間としての大きさに気づけない女である自分。
偉大な情熱など持ち合わせていないと、自ら証明してしまった自分。
もはや対等ではない、男にふさわしくないと証明してしまった自分。

そして空に手を上げて破片を風に散らします。
本物として結実したかもしれない恋が、
そして人生の貴重な何かが、風に飛び散っていきます。
別れを告げるしかないその手の先には、
一人、ブラジルへ向かう男が乗る飛行機があります。

「君でもダメだったのか」
男は、うっすら笑いを浮かべて離れていきます。
女を、恋を、試してみた自分への自嘲の笑みなのでしょうか?
女は自ら、滑り落ちていきました。
受け入れてはいるのです。受け入れるしかないと分かっているのだから。
従容として受け入れるしかないハートブレイクです。

男の賭けにこたえられず、恋に敗れた女の顔。
賭けに敗れ、恋に敗れた男の顔。
勝者なき恋の二人の敗者ーー。
「華麗なる賭け」の虚しい結末です。
結局、それが人生!?

トマス・クラウンのクラウンは
王冠の意味ですね。
マックイーンの意味はクイーンの息子。
たまたまか知れませんが
ブルーブラッド(王侯貴族)を彷彿とさせます。
この物語は、高貴なる者の恋の物語とも
受け取ることができるかも知れません。

ちなみに・・・。
ブラジルは当時、犯罪者の引き渡しに応じない国でした。
或る本を読んでいて、ずっと後の2001年の時点でさえ
ブラジルでは容疑者の引き渡しはほぼ不可能と記述がありました。
逃亡は、言論の自由と同様、生来、付与されている自然権とみなされ
逮捕の拒絶と起訴逃れは犯罪ではないという解釈です。
だから、トマスはブラジルへ行くことを当局に知られてもOKだったわけです。
上記の事情で、たくさんの犯罪者がブラジルを逃亡先に選んでいました。
中にはナチスの大物なんてのもいました。
これも、ブラジルのこんな状況を知らないと
謎が残ってしまうのでしょう。

トマスとすれば
あとは、現地でいかに紛れ込むか、だけ。
それにしたって、アメリカの資産も
周到に処理してのことでしょうから
ブラジルではやりたい放題が可能なはず。
しかし、それでも、ヴィッキはいません。

退屈を紛らせようと、
生きている実感を刺激に求めた男の姿が
いろいろな遊びに描かれています。
そもそも強盗も、刺激と実益の半々です。
ゴルフ、ポロ、サンドバギー。
そしてグライダーも。
生きている充実感を感じたい男の生き方が
如実に描かれるグライダーのシーンなのですが。

ところで、タワリング・インフェルノ でも顔を合わせた
マックイーンとダナウェイ。
男と女の華麗にして最も根本的な決闘を繰り広げた
濃厚な競演でしたから、
タワリング・インフェルノではあっさりしたもの。
あの名シーンをちらっと思わせるだけで十分といった
余裕のキャスティングです。たしかに、
濃厚な競演など、今さらですものね。

主題歌はなんとも粋な曲です。
ミシェル・ルグランがモーツァルトの
「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 第2楽章」から
インスピレーションを受けたと言います。
グライダーのシーンが本当ですが、音楽が短くなっていたり
しょっちゅう削除されたりと・・・。

風のささやき     on youtube

モーツァルトはこちら。
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 第2楽章 on  youtube

素晴らしいイメージです。
そしてこのメロディは英語にピッタリです。
日本語で歌うのは、ちょっと難しいのではないでしょうか?
3つ後のページで、
「風のささやき」として日本語訳に try してみましたが。

Round,
Like a circle in a spiral
Like a wheel within a wheel,
Never ending on beginning,
On an ever-spinning reel
Like a snowball down a mountain,
Or a carnival balloon
Like a carousel that’s turning
Running rings around the moon
Like a clock whose hands are sweeping
Past the minutes on its face
And the world is like an apple
Spinning silently in space
Like the circles that you find
In the windmills of your mind!

Like a tunnel that you follow
To a tunnel of its own
Down a hollow to a cavern
Where the sun has never shone
Like a door that keeps revolving
In a half-forgotten dream
Like the ripples from a pebble
Someone tosses in a stream.
Like a clock whose hands are sweeping
Past the minutes on its face
And the world is like an apple
Spinning silently in space
Like the circles that you find
In the windmills of your mind!

Keys that jingle in your pocket
Words that jangle in your head
Why did summer go so quickly?
Was it something that I said?
Lovers walk along a shore
And leave their footprints in the sand
Was the sound of distant drumming
Just the fingers of your hand?
Pictures hanging in a hallway
or the fragment of a song,
half-remembered names and faces
but to whom do they belong?
When you knew that it was over
Were you suddenly aware
That the autumn leaves were turning
To the color of her hair?

Like a circle in a spiral
Like a wheel within a wheel
Never ending or beginning
On an ever-spinning reel
As the images unwind
Like the circles that you find
In the windmills of your mind

例のボディランゲージですが、
そんな意味があるとは露知らず、日本のある
名優によって使われたことがあります。
目的は違うのですけれど、たまたま、同じフィンガーアクションです。

国民的ドラマ「渡る世間に鬼ばかり」で、
現在は宇津井健さんですが、
初代岡倉大吉を務めた故藤岡琢也さん。
ある日、ラジオドラマで西遊記の沙悟浄役を演じるのですが
水中のシーンとなって、さあ大変。
ラジオだから音だけで勝負しなくちゃいけない。

ところが予算の関係で効果音がつくわけでもなく、
藤岡さん、工夫を凝らしました。
このボディーランゲージでセリフをしゃべり、
いかにも水中で音がくぐもっているように聞かせたわけです。
注文をつけたプロデューサーは「いいね!」と大満足のOKサイン。

この放送を聴いた芝居関係者から後日、
「あれ、どうやったの?」と尋ねられた藤岡さん、
「企業秘密」って、うまいこと飯のタネを盗まれずにすんだ・・・といいます。
全然、官能的じゃないお話でした。

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